精神の安定のために音で絵を描く。

ある時期までドローンが苦手でした。今でも同じ周波数で鳴り続けているドローンは正直苦手です。

理由はよく分かりません。音楽を聴くという行為自体が、無意識のうちに時間的な変化を前提として期待しているのでしょうか。

いやいや、そんな高尚なものではなくて「ずっと同じ」ということで「収録時間分の労働しろよ!」と思ってしまっているのかもしれません。ラップトップ系の演者のライブを見ると、ついそう思ってしまいます。もちろんある種のノイズも、歪系のエフェクターをアンプにつないでつまみいじっているだけじゃん!と(心の中で)思ってしまいます。

そんな賃金労働者の自分でも、Andrew Chalkの音楽は大切に思える何かが横溢していると感じています。音の絵画といいますか、筆使いがドローンの流れに思えて、なんだかライブドローイングに立ち会っているように感じます。

英国の風景画の伝統からの影響、あるいは類似性を指摘する批評家もいます。

近年、ますます出版物の装丁が凝っているのに比例して、音のほうも流れを増しているのもそのせいかもしれません。

 

Vieux Silence

Vieux Silence

 

 

 

Yang

Yang

 

 

Over the Edges

Over the Edges