無意識の悪意は集合する。集合する無意識により亡命する。

ずっと聞きたかったけれど、プレミアが付いていて手が出せなかったアルバム。過去に二度CDで再発もされたが、ジャケが趣味ではなく見送っているうちに見かけなくなった。ジャケットに音を見るしかなったあの頃は若かった。(だが、このSMのイラストは内容を表していないとは言えない、というのは聴き終えての正直な感想でもある。)
今回、ようやく再再再発されて手に入れた。オリジナルのジャケットはモノクロであるが、今回は一部カラーに変更されている。

80年代、つまりノイズ創世記における基本盤と扱われている。この手のアルバムは21世紀に聞くと拍子ぬけすることもあるが、今回は大丈夫であった。それもそのはず、この盤は音の強度に重点が置かれていないからだ。
ではこの音盤からなにが放出されているのか?悪意か、憎悪か、逆説の愛か、鬼畜か、絶望か、被虐趣味か?
おそらくそれは妖気である。あちら側とのインターコネクトといってもよい。ただ、あちら側といっても死後の世界とか霊の世界とか地獄とか天国ではない。実態のない人間社会の集合的無意識、悪意の集合といってもよいかもしれない。

Chance Meeting on a Dissecting Table of a Sewing

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